この記事では「丸ノコ定規の自作方法」について解説します。
丸ノコ定規は丸ノコガイドとも呼ばれますが、名前が違うだけで同じモノです。
「丸ノコ定規ってなに?」という方もいますよね?
丸ノコ定規とは丸ノコと一緒に使う、カット専用のガイドです。
じつは、丸ノコは丸ノコ単体で使う工具じゃないんです。
正確にいうと……丸ノコ単体でも使えます。
が、使ったことがある方は分かると思うんですが、丸ノコ単体だとうまく切れませんよね?
たとえば、丸ノコを使っていてこんなことがありませんか?
- 切り口がガタガタになってしまう
- まっすぐに切れない
- キックバックする
じつは、丸ノコはガイドと一緒に使うことで、まっすぐ正確に切れる工具です。
あと、まっすぐ切ることが安全に丸ノコを使うためにとても重要です。
まっすぐ切ることでキックバックを防止することができるからです。
※ キックバックとは
材料を切っていて、丸ノコがあるいは材料がガツーンとはね返ってくるオソロシイ現象
「えーっ!丸ノコ定規、知らなかったよ」という方はかつての僕と同じです。
10数年前のことですが、僕は最初のうちは丸ノコ定規を知らずに丸ノコを使っていたので、初めて知った時は本当に目からウロコで、ビックリした事を覚えています。
さて、私ごとですが、最近、新しく丸ノコを買い換えまして、丸ノコ定規を作り直す機会がありました。
作っていて、新たに気づいたこと、改良できた点があったので、シェアします。
丸ノコ定規の作り方

—左 直角丸ノコ定規— —右 直線丸ノコ定規—
では、丸ノコ定規の作り方の大まかな流れと、仕組みについて解説します。
完成品が上の画像です。
左が角材カット用に作った「直角切り丸ノコ定規」です。
角材だけではなく、長さ500mmくらいまでの板を切ることができます。
「直角切り丸ノコ定規」については別の記事を書きましたので、くわしくはそちらで紹介します。
で、こちらがこの記事で解説していく「丸ノコ定規」です。
おもに長い板材を切ることを目的にしていて、いわゆる自作する「丸ノコ定規」とは、このような形で、自作例が多いのもこのタイプです。
理由は、市販されている丸ノコ定規は小さいモノで、だいたい¥2000くらいですが、板材を切るための長いモノはかなり高価です。
長さ1メートルの丸ノコガイド定規は、だいたい¥4000〜¥6000もします。
きっと、丈夫で良いモノなんでしょう。
でも、ちょっと高くないですか???
ところが、自作すると¥1000〜¥2000くらいで作れます。
自作しようと考える人が多いわけですね。
丸ノコ定規の作り方|おおまかな流れと仕組み
では、「丸ノコ定規自作のおおまかな流れと仕組み」を解説します。
Aの板の上にBの板を貼ります。
AとBは木ネジやボンドで接着します。
Cのライン(面)がまっすぐなのが重要なので、貼りわせるときにCのラインはホームセンターで買ったばかりの製材されたキレイな面を使うか、ホームセンターでカットしてもらった面をつかうと良いでしょう。
AとBを貼り合わせ、Aの一部を丸ノコで切り落として、丸ノコ定規の完成なんですが、ここが大事なポイント。
上画像の黄色い点線は丸ノコのベースプレート部分をしめしていますが、
ベースプレートの赤い点線が重要です。
ひっくり返して。裏側はこんな感じです。
AとBを貼り合わせた板のCのラインを丸ノコのベースプレートの赤い点線にピッタリと当てながら、Aをカットするのが大事なポイントです。

切り落としたラインに丸ノコの刃が通るようになる
図にすると、上図のようになります。
Cのラインを丸ノコのベースに当てながら切ると、Aを切り落としたラインに丸ノコの刃が必ず通るようになります。
材料に引いた線に切り落としたラインを合わせて切れば、なんどでも狙った寸法どおりに切ることができます。
これが、丸ノコ定規の仕組みです。
仕組みはシンプルです、カンタンでしょう?
ちなみに、丸ノコによってベースと刃の間隔は少しづつ違うので、1度作った丸ノコ定規はその丸ノコ専用の丸ノコ定規になります。
丸ノコ定規の材料
では、丸ノコ定規の材料を紹介します。
今回、僕が作った丸ノコ定規の材料はこちらです。
- シナベニヤ 4mm(455 x 915 mm)
- ナベ頭タッピングネジ 6mm(M4)
- ボンド
- その他(角材・サンドペーパー)
シナベニヤ 4mm
今回の自作はシナベニアを使いました。
厚さは4mmにしました。
材料は板ならなんでもよいと思うんですが、合板が安上がりでオススメです。
(ラワンベニア、シナベニア、コンパネ、など)
ネジ・ボンド
AとBの板を貼りあわせはボンドで接着します。
ボンドはいわゆる白いボンドが使いやすいです、乾燥前はぬれ雑巾でカンタンに拭きとれます。

ナベ頭タッピングネジ
すぐに、次の作業をしたい場合はネジで固定します。
ネジはナベ頭タッピングネジを使いました。
頭がポコっとふくらんでいて、接地面が平らなネジです。
材料に接する部分が平らになっているので、材料を頑丈に固定できます。
その他
その他、使った材料について紹介します。
- 角材(持ち手)
- サンドペーパー(すべり止め)
角材は持ち手に使います。
無くても機能的にはOKですが、あると便利。
サンドペーパーは完成した丸ノコ定規の裏面に貼りつけてすべり止めにします。
番手は#180、両面テープで貼ってます。
丸ノコ定規|作り方の手順
材料を切る
シナベニヤ 455x915mmから図のように材料をとりました。
寸法は以下のとおりです。
- A 350 x 915 mm
- B 100 x 915 mm
板のカットはホームセンターでやってもらっても良いですが、板の厚さが4mmなので、定規とカッターを使って自分でも切れます。
定規をあててカッターで何度もなぞれば、カンタンに切れます。
僕もこの工程はカッターで切りました。
ただし……まえに述べたとおり、B板のCのラインがまっすぐなのが重要なので、自分でカッターで切ったラインがCのラインにならないように工夫しましょう。
どれだけ、キレイに切れる人でも、手で切ってるので多少曲がってます。
上図のように切れば、カッターで切ってもCのラインはキレイなままです。
買ったばかりの製材されたキレイな面を、またはホームセンターでカットしてもらった面をCのラインにしましょう。
自分でカッターで切る場合は、どっちがキレイな面か分かるようにマーキングします。
組み立てる・固定する→A板をカットする
AとBをボンドで貼りあわせて、ネジで固定します。
ボンド乾燥後、図のようにA板の点線部分を丸ノコでカットします。
ボンドの乾燥はネジでも固定しているので、0.5〜1時間くらいおけば良いと思います。
ちなみに、上図のとおりBの位置をハジから100mmの位置にしたのは、丸ノコ定規をクランプで固定して使いたいときがあるので、固定しやすいようにあえて100mmあけてあります。
持ち手をつける・すべり止めを貼る
持ち手の取り付け。
あれば、便利かな?くらいに思って、試しにくっつけてみたんですがコレがなかなか良いです。
両面テープで仮固定して裏から木ネジで固定しています。
完成した丸ノコ定規の裏面にサンドペーパーを3枚貼りつけてすべり止めにします。
丸ノコ定規の使い方
丸ノコ定規の使い方は動画をみてもらった方が分かりやすいと思うので動画をご覧ください。
動画の最初のほうです。
丸ノコ定規の使い方も大事ですが、基本的な丸ノコの使い方も大事です。
以下の記事は、丸ノコで安全にまっすぐ切るコツについて、僕なりの考えです。
良かったら参考にしてみて下さい。

まとめ
というわけで「丸ノコ定規の自作方法」について解説しました。
自作すると市販品を買うよりも安くできるので、自分で作るのがおすすめです。
今回、紹介した丸ノコ定規は長い板材を切ることを目的にしていますが、角材はすこし切りにくいので、角材切り用の丸ノコ定規に興味があるひとは以下の記事を参考にしてください。
