マーキングゲージを作ってみました。
同じ幅で線を引きたいときに使うツールで、定規にくっつけて使います。
さて、マーキングゲージが必要な理由ですが。
例えば、棚や箱などを作るときに同じ寸法の材料が欲しいときがありますよね?
ところが、引いた線の通りにのこぎりや丸ノコで切っても、やや誤差がでることがありませんか?
僕はあります。
今までは自分が「単にヘタクソだから」だと思っていたんですが、技術的な問題だけはなくて、よく考えてみたら誤差がでるのは当たり前なんです。
というのは、目をこらして点を打ち、線を引いても、同じ幅に線を引いているつもりでも、何度も引いていれば少しズレる(0.3〜0.5mm)のは当然です。
人間ですからね。
不正確な線通りに切ってもうまくいかないのは、よーく考えたら当たり前です。
技術的にヘタクソならなおさら誤差がでますよね、そのうえ引いた線がズレているなら、さらにズレるということです。
組み立ててみると明らかに面が揃わない→なぜ?→よく考えたら当たり前なんです。
引いた線が不正確だからです。
でも、マーキングゲージがあると何度も同じ幅で線を引くことができます。
線さえちゃんと引けていればあとは正確に切るだけです。
あとは、ズレるかズレないかは自分の技術と持っている道具次第ということになります……、頑張りましょう。
僕も頑張ります。
さて、マーキングゲージなんですがもちろん市販品もあります。
「ケガキゲージ」「スケールストッパー」「直尺ストッパー」という名前で売られています。
やや、形が違いますがマーキングゲージと機能は同じです。
まずは、良いものから。
定規だと思うと高いですが、一生使うモノだと思えばアリでしょうか?
レビューの評価も高いです、僕も予算があればこれが欲しいです……。
これはお手頃、シンワの直尺定規専用のスケールストッパーです。
デメリットはシンワの直尺定規でしか使えないことです。
僕はシンワの30センチを持っているので、これだけ買おうか迷いました。
まだ、直尺定規を持っていない人なら、定規とセットで買うのもアリだと思います。
さあ、ここから本題です。
市販品を買うのもアリだと思うんですが、マーキングゲージを自作する人がかなりいるんですよ。
というわけで、僕も興味があったので作ってみました。
これから、作ってみようかと考えてる人のためにシェアします。
マーキングゲージの作り方
この記事の動画版です。
僕の動画と関連動画を2、3本見れば大体の作り方が分かると思います。
マーキングゲージを自作する人は国内外含めて、大勢いるのでググると作例はガンガン出てきますが、YouTubeで検索するのがオススメです。
僕もいくつか参考にしました。
ところが、あまりにも作例がありすぎて、どう作るのがベターなのか……?
みなさん、だいたいの形は同じですが少しづつ大きさ・形が違うんです。
人によってよく扱う材料、作るモノ、が違うからでしょうか?
構造があまりにもシンプルだからなのか?
作り方も人によって微妙に違います。
いざ、自分で作るとなると……、どうも、ピンときませんでした。
でも、マーキングゲージを作るうえで共通するポイントはいくつかあります。
たくさんある自作例の中から共通するポイントは以下の通りです。
- 2枚の板を貼り合わせる
- 定規の幅に溝を彫る
- 穴をあけ、ナットか鬼目ナットを埋め込む
- つまみねじ(蝶ボルトなど)を入れて完成
2枚の板を貼り合わせる
数あるマーキングゲージの自作例で、共通するポイントは2枚の板を貼り合わせるというシンプルなつくりです。
素材は木材を使う例が多いですが、アクリル板で作っている例もあります。
厚みを調整しやすいので合板で作るのがオススメです。
合板で作れば2〜5mmの合板の厚み単位で調整できます。
定規の幅に溝を彫る
上図のようにAに定規の幅分、溝を彫ります。
溝は彫刻刀で彫る、トリマーで削るなど、やり方はイロイロ考えられますが……。
1番カンタンな方法は定規にサンドペーパーを貼り付けてひたすら削る方法です。
- 定規にサンドペーパー(#120)を貼ります。
- ペーパーは両面テープで貼り付けます。
- 作業机にペーパーを貼り付けた定規を固定します。
- あとは前後にAをスライドさせて削っていきます。
Aの幅分のガイドをおいてズレないようにするのがポイントです。
上の画像では片側にしかガイドをおいてませんが、左右にガイドをおいた方が無難です。
上の画像は試作1号を作ったときのモノ。
何度か作ってみて分かったんですが、定規の厚みより削れてほしいので、厚手の両面テープを使ったほうがうまくいきます。
ドリルで穴をあけ鬼目ナットを埋め込む
Aに鬼目ナットを埋め込みます。
鬼目ナットは木材に埋め込んでボルトが使えるようにするパーツです。
叩いていれる「打ち込みタイプ」と、六角レンチでいれる「ねじ込みタイプ」がありますが、ねじ込みタイプを使いました。
- 板厚12mm
- 鬼目ナット 6 x 10 (Dタイプ)
12mmの板にM6のボルトに対応した鬼目ナットDタイプを埋め込んでいます。
ドリル穴は9mmです。
参考まで。
2枚の板を貼り合わせる
板AとBをボンドで貼り合わせます。
圧着するとボンドがはみでるので、ボンド乾燥後に断面をサンドペーパーで削りとります。
つまみねじ(蝶ボルトなど)を入れて完成
最後につまみネジを取り付けて完成です。
僕は蝶ボルトにしました。
見よう見まねでマーキングゲージを作ってみました
マーキングゲージ試作1号
というわけで、ピンとこない状態で、見よう見まねで作ってみたマーキングゲージ試作1号です。
材料は以下のとおりです。
- コンパネ(A)12mm
- コンパネ(B)12mm
- 鬼目ナットM6
- 蝶ボルトM6
試作1号を使ってみて、すぐにダメな点に気がつきました。
貼り合わせる下側の板(B板)がぶ厚すぎるとかなり使いづらいことが分かりました。
理由は単純でB板(下側の板)よりも薄い材料に線を引きたい場合、定規が浮いてしまいます。
僕の場合は4mmの合板を切ることもあるので、こんなんじゃダメです。
正確に線を引くための道具なのに……。
マーキングゲージ試作2号
というわけで、B板はできるだけ薄い方が良いことがわかりました。
B板を薄く改良したのがこちら試作2号です。
材料は以下のとおり。
- シナベニア(A) 12mm
- シナベニア(B) 4mm
- 鬼目ナットM6
- 蝶ボルトM6
下側になるB板を4ミリに変更したこと以外は1号とほぼ同じです。
材料の寸法は40x60x12mmです。
B板を12mmから4mmに変更しただけですが、かなり使いやすくなりました。
マーキングゲージ試作3号
試作2号で完成でいいような気がするんですが、下側のB板を薄くすると使いやすくなることが分かりました。
というわけで、もっと薄くしたくなりB板にアルミ板(2mm)を使い、試作3号を作ってみました。
それ以外の材料は試作2号と同じです。
変更点はアルミと木は木工ボンドでくっつかないのでウルトラ多用途S・Uで接着しています。
必要がない機能ですが、アルミ板はクロスヘアライン加工しています……。
試しにやってみたんですが、サンドペーパーでカンタンにできました。
まとめ
というわけで、マーキングゲージを作ってみました。
「いままであると便利かな?」くらいに思っていて必要性を感じなかったので、見送っていたんですが、同じ寸法の材料が欲しいときには必須のDIYツールだと思います。
最後に一言。
僕は自作しましたが、今回マーキングゲージを作っていて、市販品を買うのも全然アリだと思いました。
理由は材料の加工自体はカンタンですが、まあまあ、手間がかかるから……。
道具作り、ジグ作りが楽しめる人は自作してもいいかもしれませんが……、そうじゃない人は買ったほうがいいと思います。