今日はのこぎりの使い方を解説します。
アシスタントとして僕の妻のツマに登場してもらいます。
DIY歴10年以上のカピバラ。
3年間中学生に木工や色々なモノづくりを教えていた事もある。
DIYが得意な方でも、木材の材料カットはホームセンターでやってもらってる方も多いと思います。
ホームセンターの機械で切ってもらうと正確ですし、とても楽です。
僕も切る材料が多い時は切ってもらってますが、自分で簡単に切れるようになると作れるものが増えます。
作れるものが増えると夢が広がりますよ。
今日はツマに登場してもらいます。
はい。
ところで、この記事すごく長くなったね。
これは教えるのが好きな人の悪いクセだね。
急いでる人もいるんじゃない?
では簡単に5つのポイントをまとめるよ。
① 4つの面に線を引こう
まずは、材料に線を引きます。
材料に線を引く事を「ケガキ」と言います。
ケガく時は鉛筆を使いましょう。
では、ケガいていきます。
直尺定規(ちょくしゃくじょうぎ)で測って線を引きます。
定規はステンレス製が良いでしょう。
プラスチック製の定規は狂いが出やすいので木工には向いていません。
角材4つの面にぐるりと線を引きます。
これが、木をまっすぐ切るコツの1つです。
なんで鉛筆なの?
シャーペンじゃダメ?
シャーペンだと木の表面に傷をつけてしまう事があるんだ。
ケガキをする時は鉛筆がオススメだよ。
・ 鉛筆はB系?H系?
ケガきをする時に使う鉛筆はB〜HBなどがオススメです。
B系は線が太くなりやすく、鉛筆の色が濃いのでケガきには不向きで、H系は鉛筆の先が鋭く、鉛筆の色が薄いので、けがく時はH系の鉛筆は使ったほうが良い。
と教える方もいて、実際正しいです。
ですが、H系の鉛筆は硬いのでけがく時に木の表面に傷をつけてしまう事があります。
鉛筆の色は消しゴムで消せますが、けがく時に鉛筆でつけてしまった傷を消すのはちょっと大変です。
紙やすりで削れば消せるんですが、ちょっと手間です。
なので、僕がケガきする時に使ってる鉛筆はB〜2BくらいのB系です。
先はあまり鋭く尖らせないようにしています。
また、B系の鉛筆を使う理由は濃い線が引けるので、作業する時に見やすいからです。
・ 差し金は必要?
4つの面をけがく時は、L字型の定規の、差し金(さしがね)を使う方法があります。
使う時はL字の短手面を材料にカコッと当てて使います。
ですが、必ず必要か?というと、そうでもないかもしれません。
線がキレイにつながらない
差し金を使ってケガくと、慣れないうちは4つの面に引いた線がキレイにつながらない事があります。
自分の手元の狂い、材料自体が反ってるか平らでない、などが原因です。
なので初心者の方は、最初は普通の定規で、木の端っこから端っこを測って4つの面の線をつなげた方が確実です。
ふーん。
・ ケガいた線のどこを切る?
線が引けました。
ではこれから切るんですが、線のどこを切ればいいでしょう?
のこぎりで木を切る時は線の外側を切りましょう。
のこぎりで木を切ると必ず切りクズが出ます。
線の上を切ると、切りクズ分だけ材料が短くなってしまうからです。
のこぎりを使う時は線のどこを切るのか?
どうしてこういう問題があるのかというと、これはのこぎりが木を切る事ができる仕組みが関係しています。
このように、のこぎりは細かい刃が規則正しくびっしりと並んでいます。
この刃の事を「あさり」と言います。
あさりのおかげで、のこぎりは木を切る事ができます。
しじみじゃないよ、あさりだよ!
。。。
このネタは子どもに教える時の鉄板なんだw
このような仕組みで材料を切る事を切削(せっさく)と言います。
切削とは切りつつ、削っている事をいいます。
つまり、のこぎりで線の上を切ると測った寸法よりも必ず短くなります。
へー。
線の上を切っちゃダメなんだね。
ダメという事はないよ。
でも、正確に切りたいなら、線の外を切ったほうが良いね。
ふーん。
より正確に切りたい人は、線の外を切ってから、棒ヤスリで微調整する方法もあるよ。
蛇足になりますが。
カッターで材料を切る事を「切断」(せつだん)と言います。
例えばハサミで紙を切る加工は「切断」ですね。
切断は材料を切る時に切りクズは出ません。
なので、線の上を切ります。
以下の記事は薄い板の「切断」方法を紹介しています。
② しっかりと固定しよう
では実際に切ってみましょう。
まずはちゃんと固定する。
これが、木をまっすぐ切るコツの2つ目です。
では、どのように材料を固定したらいいでしょうか。
このようなクランプで固定する方法もあります。
でも、このくらいの角材ならクランプを使わなくても簡単に切れます。
切る度にクランプで一々固定しては効率が悪いですよね?
では、どう固定するのか?
これは次の項目の「ちゃんとケガいた線を見よう」に関連するので後に述べます。
③ ちゃんとケガいた線を見よう
ちゃんとケガいた線を見て切る。
これが、木をまっすぐ切るコツの3つ目です。
何となく木を切る時って、足で踏んで固定して、下から上に引っ張って切るようなイメージがあると思います。
僕が中学生にものつくりを教えていた頃のエピソードを例に挙げましょう。
子供たちに何も教えない状態で角材を切らせると、90%以上の子が作業椅子の上に角材を乗せ、足で角材を踏んで切り始めます。
日本ののこぎりは引くと切れますので、しっかり踏んで押さえなければいけません。
ところが、この方法ではまっすぐ上手に切ることができません。
理由は、足で踏んで押さえると角材にケガいた線が目から遠いからです。
これでは、せっかく丁寧にけがいた線の意味が無くなってしまいます。
そこで、作業台に角材を置いて切りなさいと教えます。
すると大半の子供たちはこのように切り始めます。
これは、のこぎりはこう使うものだという思い込みです。
工作があまり得意ではない大人の方でもこう切ってしまうでしょう。
この方法が正しくない理由は、のこぎりは引くと切れるので切っている角材は上に持ち上がろうとします、持ち上がろうとする角材をしっかりと押さえようと頑張ります。
すると手が疲れてしまい、余計な力が入り手元が狂いやすくなるので、まっすぐ切りにくくなります。
・ しっかり押さえて|よく見て切れる方法
そこで、このように切ります。
押さえている左手は軽くそえている程度です。
なんだか野菜でも切ってるようですが。そんなイメージでいいと思います。
のこぎりはななめ上からななめ下に引っ張るようなイメージで引きます。
この切り方だと角材にかかる力は下に働きます。
角材を押さえる左手はそえる程度でしっかり固定できます。
これが木をまっすぐ切るコツの2つ目「材料をしっかり押さえて」 コツの3つ目「ケガいた線をちゃんと見れる」切り方です。
技術の先生にも足で押さえて切るように教わったような気がするなあ。
まあ、そのやり方でも間違いではないよ。
器用な子は足で押さえても、ちゃんと正確に切ってたよ。
でも、この切り方なら今までまっすぐ切れなかった子もきっと切れるはずだよ。
④ 回しながら切ろう
少し切って回す。
少し切って回す。
これが、木をまっすぐ切るコツの4つ目です。
このように回しつつ切ると4回まわすとこのように溝ができているはずです。
あとはまっすぐ溝に沿って切るだけです。
木をまっすぐ切るコツの1つ目「ケガき」で丁寧に線を引いたのはこのためです。
これで、簡単にまっすぐ切れます。
あと、もう一つ回しながら切った方が良い理由があります。
例えば1方向から回さないで一気に切ってみましょう。
ギコギコギコ、、、すると。
このように、切り終わった端っこの所で割れてしまいます。
特に長い角材を切ってるとこういう事が起こりやすいです。
ギコギコ。クル。ギコギコ。クル。
たったこれだけの事なんだけどね。
これも大事なポイントだよ。
これで、真っ直ぐ切れるんだ。
⑤「ギコギコ」切らないで「ギーーコギーーコ」切ろう
「ギーーコギーーコ」切る。
これが、木をまっすぐ切るコツの5つ目です。
「ギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコギコ」と切ったほうが早く切れそうですが、疲れるだけで全然切れません。
引くと切れる事を意識して「ギーーコギーーコ」切ったほうがまっすぐ早く切れます。
どういうことかと言うと、のこぎりの刃(あさり)を全部使って切るという事です。
たったこれだけを意識するだけで、簡単に切れます。
のこぎりの刃をすべて使うイメージで切るんだ。
それを意識してのこぎりを引くと。
ギーーコ。ギーーコ。ギーーコ。
○ まとめ|のこぎりの使い方5つのコツ
- 角材4つの面を丁寧ケガく
- しっかりと固定する
- ちゃんと見る
- 回しながら切る
- ギーーコギーーコ、のこぎりの刃をすべてを使って切る
以上!
5つポイントを守れば木材は簡単にまっすぐ切れる!
最後まで見てくれてありがとう!
・この記事で使っているのこぎり
この記事の動画版です。