今回は自作ヨーグルトに使う「たね菌」を比較してみました。
ヨーグルトメーカーで作る、自作ヨーグルトです。
ここで言う、たね菌とは「飲むタイプの機能性ヨーグルト」のことです。
スーパーやコンビニで売ってる小さいボトルのヤツです。
ヨーグルトとは、飲むタイプも食べるタイプのヨーグルトも菌の量は変わらないそうです。
なので、飲むタイプヨーグルトでも「たね菌」に使えます。
ヨーグルトメーカーでヨーグルトを作るには。
- 牛乳 900ml
- ヨーグルト 100ml
- 牛乳とヨーグルトを、混ぜ、ヨーグルトメーカーにセット
- 42℃ 9時間
で、完成します。
カンタンです。
カンタンなんですけど……、工程を細かく説明すると。
牛乳は1パック1000mlですから、牛乳100mlをコップに移します。
牛乳900mlにたね菌にするヨーグルト100mlを加えて、よく混ぜます。
このとき、手間取りすぎると雑菌が入り失敗の原因になるそうです。
だから、この工程はササっとスピーディに済ませたい。
ところが、食べるタイプのヨーグルトだと、この混ぜる工程がどうしても手間です。
そのまま、牛乳にドボドボではうまく混ざりません。
コップに少量牛乳そそぎ、ヨーグルトを加えて混ぜ、それを牛乳パックに戻して、それをさらに混ぜるんですが、はっきり言って面倒臭いです。
使う道具をすべて殺菌しないといけないので。
冒頭で、飲むタイプのヤツでも自作ヨーグルトの「たね菌」に使えると書きました。
そうです。
自作ヨーグルトに使う「たね菌」は圧倒的に飲むタイプのヨーグルトの方が作りやすいんです。
飲むヨーグルトだと、混ぜる工程が圧倒的にラクですから、スピーディに作業が完了します。
そして、もう1つ飲む機能性ヨーグルトがヨーグルト作りに、都合が良い理由があります。
それは、ほとんどの飲む機能性ヨーグルトは100ml前後だからです。
だから、測る工程が牛乳100mlをコップに移すだけの1回で済みます。
というわけで、自作ヨーグルトに使える「たね菌」を比較しました。
この記事では種類別が「発酵乳(はっ酵乳)」のモノに限定しました。
いわゆる、ヤクルトのような「乳酸菌飲料」や「乳性飲料」「清涼飲料水」に分類されているモノは除外してます。
理由は、「乳酸菌飲料」でも、たね菌として使える物もあるにはあるようですが、2本使ったら固まっただとか、発酵する時間を延長したら固まっただとか、工夫が必ず必要だからです。
面倒です。
僕は安定して作りたいので。
森永乳業
- メモリービフィズス 記憶対策ヨーグルト ドリンクタイプ
- トリプルヨーグルト ドリンクタイプ
- ビヒダス ヨーグルト 便通改善 ドリンクタイプ
- ラクトフェリンヨーグルト ドリンクタイプ
メモリービフィズス 記憶対策ヨーグルト
記憶力を維持する機能性ヨーグルトです。
認知機能を維持することが報告された世界初のビフィズス菌(ビフィズス菌 MCC1274)を配合しているそうです。
ヨーグルトが記憶力に効果がある?
にわかには、信じがたいですが……、腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方という本によると、人工的に菌がいない無菌状態で生育された「無菌マウス」とフツーに育てられたマウスとでは、「無菌マウス」の方が物忘れがひどい(記憶障害がある)という研究結果があると書かれていました。
なので、そういうビフィズス菌があってもおかしくないと思います。
トリプルヨーグルト
高めの血圧(収縮期血圧)を下げる、血糖値・中性脂肪の上昇をおだやかにする機能性ヨーグルトです。
トリプルの効果の内、血糖値と中性脂肪に効果があるのは「難消化性デキストリン」です。
「難消化性デキストリン」とは小麦で作られる食物繊維です。
ということは、ヨーグルト(トリペプチドMKP)による効果は血圧だけですね。
なので、トリプルヨーグルトをたね菌にすると、ヨーグルト(トリペプチドMKP)は増えますが、難消化性デキストリンは増えない。
高めの血圧(収縮期血圧)を下げる効果に注目すれば、選択肢になるたね菌ではないかと。
ビヒダス ヨーグルト 便通改善
ビフィズス菌BB536を20億個配合した、大腸の腸内環境を改善し、便秘気味の便通を改善する機能性表示食品です。
フツーのヨーグルトの効果のような気がしますが「大腸の腸内環境を改善し、便秘気味の方の便通を改善する」という機能性表示食品のヨーグルトはこれが初なんだとか。
もともとヒト由来のビフィズス菌は酸や酸素に弱い性質を持っており、食品への応用が難しかったのですが、森永乳業では1971年に日本で初めて乳製品へビフィズス菌を応用することに成功しました。ビフィズス菌BB536は、赤ちゃんの腸内から採取されたヒトのビフィズス菌です。日本では30年以上の販売実績があり、世界でも30ヵ国以上でヨーグルトやサプリメント、育児用粉ミルクなどに利用されており、世界で認められたビフィズス菌と言えます。
さらに、森永乳業ではビフィズス菌BB536の生理機能に関する豊富な研究がなされており、プロバイオティクスとしての健康維持に役立つ多くの機能が期待できます。
森永乳業株式会社
ビフィズス菌研究50年ヒストリー|森永ビヒダスヨーグルト|森永乳業50年の研究成果がつまった森永ビヒダスヨーグルトのビヒダスヒストリーをご紹介します。トクホ(特定保健用食品)の表示許可やGRAS認証取得など、ビフィズス菌BB536の研究ヒストリーのページです。
ラクトフェリンヨーグルト
ラクトフェリンという、希少なたんぱく質が含まれたはっ酵乳です。
主な効果は免疫力の強化。
ラクトフェリンとはたんぱく質のことで、乳酸菌ではないみたいです。
なので、これをたね菌にしてヨーグルトを作ってもラクトフェリンは増えないのではないかと。
僕の想像ですが。
雪印メグミルク
- 恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト ドリンクタイプ
- 乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ
恵 megumi ガセリ菌SP株ヨーグルト
内臓脂肪を減らす、ガセリ菌SP株が含まれた機能性表示食品。
同シリーズの、食べるタイプのヨーグルトは特定保健用食品になってます、いわゆる特保(トクホ)です。
機能性表示食品は事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品。
それに対して、特保(トクホ)は表示された効果を国が審査して、消費者庁長官に個別に認可されているという違いがあります。
なので、グレード的には、特定保健用食品(トクホ)>機能性表示食品ということです。
ちなみにトクホになってるのは、食べるタイプでドリンクタイプは機能性表示食品になってます。
ただ、関与成分は両者とも「ガセリ菌SP株10億」となっています。
成分表を見る限り、両者の違いは食べるか、飲むかの違いしかないように見えます。
乳酸菌ヘルベヨーグルト
目や鼻の不快感に効果があるという、SBT2171(乳酸菌ヘルベ)が含まれた機能性表示食品。
ハウスダストやダニよる目や鼻の不快感ということなので、花粉にはどうなんでしょう?
継続摂取により、目や鼻の不快感が有意に改善したというデータがあるそうです。
明治
- 明治プロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプ
- 明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ
- 明治プロビオヨーグルトPA-3ドリンクタイプ
LG21
言わずと知れた「プロビオヨーグルト」シリーズです。
プロビオヨーグルト3兄弟の長男。
胃酸に強いというLG21乳酸菌が使われているはっ酵乳です。
ピロリ菌に効果があるということと、胃での増殖性が高いということを強調しています。
意外にも特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品では無いんですね。
LG21は明治が所有する2500種以上の乳酸菌ライブラリーから選ばれたという、いわば乳酸菌のエリート戦士です。
東海大学医学部の古賀泰裕教授らは、ピロリ菌の感染者30人に対して試験を行いました。まずその30人に乳酸菌OLL2716株を含まないヨーグルト(1個90g)を1日2回、8週間連続で食べてもらい、その後乳酸菌OLL2716株を含むヨーグルト(1個90g・乳酸菌OLL2716株を10億個含む)を1日2回、8週間食べてもらいました。その結果、乳酸菌OLL2716株を含むヨーグルトを食べた後で、食べる前よりもピロリ菌の活動が抑制され、胃の炎症の改善が認められました。
乳酸菌OLL2716株について
乳酸菌OLL2716株の試験結果(ピロリ菌) | 明治ヨーグルトライブラリー乳酸菌OLL2716株の試験結果について。明治ヨーグルトライブラリーは乳酸菌の基礎知識や、最先端の研究結果から、皆さまの暮らしに役立つ美容・健康情報、ヨーグルトを使用したちょっと意外なレシピをご紹介してます。
R-1
プロビオヨーグルト3兄弟の次男。
機能性ヨーグルトといえば、コレのイメージが強いです。
明治の6000種類以上の乳酸菌研究から選び抜かれた、1073R-1乳酸菌が含まれているはっ酵乳です。
LG21と同様に、R-1も特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品では無いんですね。
主な効果は強さをひきだす、です。
「強さをひきだす」とはふわっとしたフレーズですが、臨床事例がイロイロあるので信憑性がある。
だから、たくさん売れるんでしょう。
乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトには、NK活性増強効果があり、風邪罹患リスクを低減します。株式会社 明治では、地方自治体の協力を得たヒト試験やマウスの抗インフルエンザ試験を実施し、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトに、NK活性増強効果や風邪症候群への罹患リスク低下効果、さらにはインフルエンザの抑制効果の可能性があることがわかりました。
乳酸菌研究最前線
乳酸菌1073R-1株について | 明治ヨーグルトライブラリー乳酸菌1073R-1株について。明治ヨーグルトライブラリーは乳酸菌の基礎知識や、最先端の研究結果から、皆さまの暮らしに役立つ美容・健康情報、ヨーグルトを使用したちょっと意外なレシピをご紹介してます。
北里大学(山田陽城教授、永井隆之講師)との共同研究で、マウスを新型インフルエンザと同タイプのA型H1N1亜型のインフルエンザウイルスに感染させる実験を行いました。感染させる21日前から感染後4日まで、乳酸菌1073R-1株を使用したヨーグルトか同乳酸菌が産生するEPSをマウスに与えて、水を与えた群と比較して観察しました。
するとマウスにこの乳酸菌を使用したヨーグルトを予め与えておく事で、インフルエンザウイルス感染後の生存率が向上したのです。
乳酸菌1073R-1株試験結果(3)
乳酸菌1073R-1株のインフルエンザ予防効果 | 明治ヨーグルトライブラリー乳酸菌1073R-1株のインフルエンザ予防効果について解説します。 明治ヨーグルトライブラリーは乳酸菌の基礎知識や、最先端の研究結果から、皆さまの暮らしに役立つ美容・健康情報、ヨーグルトを使用したちょっと意外なレシピをご紹介してます。
PA-3
プロビオヨーグルト3兄弟の三男。
プリン体に効くという乳酸菌PA-3が含まれる機能性表示食品。
プロビオヨーグルトシリーズの中では唯一、具体的にコレに効くというフレーズで売られています。
本試験は男性健常人14名を2群に分け、乳酸菌PA-3株が入ったヨーグルトを摂取するグループと、乳酸菌PA-3株が入っていないヨーグルトを摂取するグループで実施しました。ヨーグルトと同時にプリン体を摂取して、摂取後30分、60分、90分、150分後の血清尿酸値を比較しました。
その結果、乳酸菌PA-3株を含むヨーグルトを摂取していたグループは乳酸菌PA-3株を含まないヨーグルトを摂取していたグループに比べ、食後の血清尿酸値の上昇が抑制されていることが分かりました。
これにより、乳酸菌PA-3株に食後の血清尿酸値の上昇を抑える働きがあることが実証されたのです。
乳酸菌PA-3株試験結果
乳酸菌PA-3株試験結果 | 明治ヨーグルトライブラリー乳酸菌PA-3株試験結果。明治ヨーグルトライブラリーは乳酸菌の基礎知識や、最先端の研究結果から、皆さまの暮らしに役立つ美容・健康情報、ヨーグルトを使用したちょっと意外なレシピをご紹介してます。
まとめ
というわけで、自作ヨーグルトに使える「たね菌」の比較でした。
飲む機能性ヨーグルトって、メーカーが自作ヨーグルトユーザーのために、あらかじめ測っておいてくれているんですよね?
いつも、ありがとうございます。
違うか。
今回、比較した中で個人的には……。
- 森永 メモリービフィズス 記憶対策ヨーグルト ドリンクタイプ
- 森永 ビヒダス ヨーグルト 便通改善 ドリンクタイプ
- 雪印メグミルク 乳酸菌ヘルベヨーグルト ドリンクタイプ
- 明治プロビオヨーグルトLG21ドリンクタイプ
- 明治プロビオヨーグルトR-1ドリンクタイプ
に、それぞれ一票づつ。
理由は自分の努力では、どうにもならないことを菌がしてくれそうだから。
自作ヨーグルトに関することでは以下の記事も参考になるかと。
ヨーグルト作りに失敗しない牛乳の選び方についてです。