人はヨボヨボになりいつか死ぬ。
高齢になると、人それぞれの趣味嗜好によって、高血圧や糖尿病などの生活習慣病になることもある。
健康に気をつけている人でも、身体の機能は衰えていくもの。
というのが、一般論です。
ところが、老化の正体が科学的に解明されつつあるんだそうです。
デビッド・A・シンクレア著LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界によると、老化とは病気であり、生活習慣病はあくまで老化に伴う、イチ症状にすぎない。
老化とは病気であるから、治療、予防が可能であると書かれていました。
ボリュームがある本なので、僕なりに要点をかいつまんで、気になったところだけ解説します。
今現在の老化研究は、1960年代のがん研究と似たような段階にある。老化がどのようなもので、私たちにどんな影響を及ぼすものなのかについては、すでに十分な理解がある。しかも、老化の原因は何か、どうすればそれを食い止められるのかについても、研究者のあいだで意見の一致を見つつある。この様子で行くと、老化を治療するのはそれほど難しくなさそうだ。少なくとも、がんを治癒させるよりはるかに簡単なはずである。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
まるで、SF映画みたいな話です。
がんを治癒させるよりはるかに簡単?
そもそも老化とは?
「そもそも、老化って何なんだ?」という話から。
LIFESPAN(ライフスパン)から引用します。
ごく単純にいえば、老化とは情報の喪失にほかならない。
(中略)
生体内には2種類の情報があり、それぞれまったく異なる方式で符号化されている。1つめは著名な先人たちが目を向けたものであり、デジタルな情報だ。
(中略)
DNAはデジタル方式なので、情報の保存やコピーを確実に行なうことができる。途方もない正確さで情報を繰り返し複製できる点においては、コンピュータメモリやDVD上のデジタル情報と基本的に変わらない。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
老化とは情報の喪失
情報の喪失というのは意外な感じがしますが、後で理解できます。
そして、「体内には2種類の情報がある」そうです。
その1つ目の情報とはゲノムです。
「ゲノムとDNAは何が違うの?」と思いませんか?
DNA(デオキシリボ核酸)とは化学物質の名前で、ゲノムとはその生き物に必要なDNAのすべてのことです。
皮膚を新しくしたり、髪の毛が伸びたりだとか、そういうことですよね。
新陳代謝はコピーの繰り返しですから「デジタルとはなるほどなぁ」と思いました。
体内にはもう1種類の情報が存在する。こちらはアナログ情報だ。
(中略)
今日、このアナログ情報は「エピゲノム」と総称されるのが一般的である。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
「エピゲノム?」聞いたことが無いワードですよね?。
アナログというのも、この時点ではピンと来ません。
とりあえず、デジタルのゲノムとアナログのエピゲノムという2種類の情報が体内にあります。
-
デジタルのゲノム
-
アナログのエピゲノム
ヒトの新生児は、たった1個の受精卵から出発して約260億個の細胞をもつに至る。また、私たちの体内の細胞1個1個にはすべて同じ遺伝情報がしまわれているのに、それぞれの細胞は何百種類もの異なる役割へと分化する。いずれの場合も、そのプロセス全体を調整しているのがエピゲノムだ。
(中略)
ゲノムがコンピュータだとするなら、エピゲノムはソフトウェアだといえる。分裂したばかりの細胞に対して、どんな種類の細胞になればいいのかを教えるのだ。
(中略)
エピゲノムの情報がなかったら、細胞はすぐに自らのアイデンティティを失い、新しく生まれる細胞もアイデンティティを喪失する。そうなれば、組織や臓器はしだいにうまく機能しなくなって、ついには働きを停止する。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
名前は似てますが、ゲノムとエピゲノムの役割はかなり違います。
ゲノムとエピゲノムの関係はコンピュータとソフトウェアの関係にある。
コンピュータはソフトが無ければただの箱も同然ですし、スマホもOSが無ければただのガラスが貼り付いた板です。
原初の地球にあった温かい池で遺伝データを長期保存するには、化学物質を用いたデジタル情報システムが最も都合がよかった。だが同時に、環境条件を記録してそれに対応するために情報を蓄える必要もあり、それに一番適しているのはアナログ形式だった。アナログのほうがこの仕事に向いているというのは、細胞内外の環境の求めに応じて変えたり戻したりがわりあい容易にできるからである。
しかもデジタル情報とは違って、取り得る値の選択肢が決まっているわけではない。だから、ほぼ無制限に様々な値を格納することができる。おかげで、一度も遭遇したことのない環境条件に対してもうまく反応できるわけだ。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
コンピュータとソフトウェアの関係から考えると。
コンピュータ(ゲノム)は常に一定の性能だが、ソフト(エピゲノム)は環境条件に対応するためにアップデートができるようになってるということですね。
取り得る値に制限がないからこそ、大勢のオーディオマニアが今なおアナログの豊かな音を好む。その反面、アナログシステムは大きな欠点も抱えもっている。私たちがアナログからデジタルに移行したのも、その欠点があるからだ。何かというと、デジタルと違って、アナログ情報は時間とともに劣化するのである。磁場や重力、宇宙線や酸素が、寄ってたかって足を引っ張る。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
ソフト(エピゲノム)は変えられる。
だが、時間とともに劣化してしまうという欠点がある。
ただし、劣化は改善できると次に書かれています。
私たちは古いDVDプレイヤーのようなものだと私は考えている。
(中略)
DVDの縁が欠けてしまえば、その再生も中身の復元ももはや不可能だ。消えたものは永遠に消えたままである。 しかし、DVDの表面にひっかき傷がついただけなら、普通は情報を回復できる。それと同様のプロセスを用いれば、若返りも可能だというのが私の考えだ。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
僕が20代前半の頃の話で、中古専門のCDショップでバイトをしてたんですが、ディスク裏面が傷だらけで音飛びがあったり再生できないCDを研磨する仕事がありました。
CDを回転させながら2、3種類ディスクパッドでツルピカにCDの裏を研磨する作業です。
傷がキレイに無くなると、音飛びがあったCDもちゃんと再生できるようになるんです。
そのことを連想しました。
DVDの表面にひっかき傷がついただけなら、普通は情報を回復できる。
デジタルとアナログの関係性から考えると、データは無事なのにアナログ(物理的)に傷があると、再生できなくなるが、傷は研磨してキレイにできる。
なるほど、ゲノムとエピゲノムの関係性が分かってきました。
デジタルとアナログというのも「最初はなんのこっちゃ?」という感じでしたが。
どうも、エピゲノムに何か働きかけることが若返りに関係するようですね。
老化を食い止めるためには?
さて、老化を食い止めるためには具体的に何をすればいいんでしょうか?
LIFESPAN(ライフスパン)には、現時点で寿命を延ばす効果があると分かっている、医薬品とサプリメント。
あと、老化を食い止める習慣についても書いていました。
寿命を延ばす医薬品とサプリメント
LIFESPAN(ライフスパン)によると以下の医薬品が寿命を延ばす働きすることが分かっているそうです。
けど……、両者ともそもそも老化の治療のための薬じゃないそうです。
それに、処方箋が無ければ手に入らないのであくまで参考に。
医薬品
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ラパマイシン(臓器移植時に免疫反応を抑える薬)
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メトホルミン(糖尿病の治療薬)
メトホルミンを「抗老化薬」として処方する国は現時点ではほぼない。
(中略)
いわゆる糖尿病予備軍であっても、医師を説得してメトホルミンを処方させるのはかなり困難な場合がある。ましてや、これまで体に気を遣ってきて糖尿病とは無縁な人なら、残念ながら手に入れるのは無理だ。
(中略)
まだ老化を病気とは考えていないからである。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
メトホルミンは糖尿病の治療薬ですから、処方箋が無ければ買えません。
が、メトホルミンがフツーに市販されている国もあるようなので、調べるとネットで買えそうです。
けど、怖くないですか?
それに、本物なのかどうかも……。
そんなの身体に入れたくないですよね……。
老化が病気であることが広く認知されれば、誰でも安心して手に入るようになるんでしょうか?
これは「今後の続報を待て」ですね。
サプリメント
医薬品はハードルが高いですが、サプリメントならどうでしょう?
以下のサプリメントが寿命を延ばす働きすることが分かっているそうです。
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NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)
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レスベラトロール
NMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)
こんな名前のサプリ初めて聞きますが、人間の細胞内でもつくられている物質で、アボカド、ブロッコリー、キャベツなどの食物にも含まれているビタミンB3の1種だそうです。
こちらはネットで買えますが、けっこうお高いサプリです。
それに、価格に差があってビックリします。
いったい、どれが良いんでしょうか……?
レスベラトロール
こちらは聞いたことがある人もいるかもしれません。
赤ワインに含まれる抗酸化物質です。
ちなみに、レスベラトロールは白ワインやロゼには含まれていないそうです。
レスベラトロールならドラックストアでも売ってます。
NMNに比べると気軽に試せそうな感じがします。
老化を食い止める習慣
さて、LIFESPAN(ライフスパン)では他にも老化を食い止める習慣についても紹介しています。
基本的な考え方は、前述したエピゲノムに「適度なストレスを与えて活性化させよう!」ということです。
以下の方法が書いてありました。
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食べる量と回数を減らす
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アミノ酸(肉)を制限する
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運動をする
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寒さに身をさらす
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サウナ
個人的には「本当か???」と思ったモノもあります。
この中では「食べる量と回数を減らす」と「運動をする」に共鳴する部分があったので紹介します。
食べる量と回数を減らす
老化を食い止める習慣の1つ目は食べる量と食事の回数を減らすことです。
しかも、間違いなく確実な方法だとLIFESPAN(ライフスパン)に書いてました。
1980年代から、アカゲザルを用いた長期間のカロリー制限研究が行なわれ、そこからはじつに説得力のある結果が得られている。アカゲザルは遺伝的に見てヒトのいとこにあたり、それまでに知られていた最大寿命は40歳だった。ところが、この研究でカロリー制限をした20頭のうち、6頭がその年齢に達した。人間でいえば、だいたい120歳である。 しかも、カロリー制限食を一生続けなくてもそれだけの効果が現われた。一部のサルについては、30%のカロリー制限を始めたのが中年になってからだったのに、それでも十分だったのである★10。 マウスの場合も同様で、生後19か月(人間にして60~65歳相当)の段階でカロリー制限をスタートさせても、寿命を延ばす効果が確認されている。ただし、開始時期が早ければ早いほど延び幅も大きかった。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
これは、何となく信憑性があります。
何歳からでもOKなので、30%のカロリー制限は寿命を伸ばす効果があるそうです。
しかし、「誰でもこれができるか?」というと難しいですよね?
ずーっと、カロリー30%オフです。
僕らは食事を徹底管理された猿やマウスでは無いですからね。
イチイチ、カロリー計算するのは面倒くさいです。
間欠的な断食をする
そこで、こんな方法が紹介されていました。
間欠的断食です。
間欠的断食にもいろんな方法があるそうで、個人的にできそうだなと思ったのは以下の2つです。
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週に2日だけカロリーを75%に減らす
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朝食を抜いて遅い昼食をとる
「週に2日だけカロリーを75%に減らす」は1日3食食べてもいいが、週2回カロリーを75%に減らす。
この方法は、比較的ハードルが低いですが個人的にはカロリー計算するのが面倒です。
「朝食を抜いて遅い昼食をとる」は食事の回数を1回だけ減らすという方法です。
つまり1日2食、シンプルですね。
こちらは食べる量は変えなくてOKです。
青木厚 著「空腹」こそ最強のクスリでも書いていた方法です。
空腹の時間を作ると、まず内臓がしっかりと休むことができ、血糖値も徐々に下がります。また、最後にものを食べてから10時間ほどたつと、肝臓に蓄えられた糖がなくなるため、脂肪が分解されエネルギーとして使われるようになり、16時間を超えると、体に備わっている「オートファジー」という仕組みが働くようになります。オートファジーとは、「細胞内の古くなったタンパク質が、新しく作り替えられる」というもので、細胞が飢餓状態や低酸素状態に陥ると、活発化するといわれています。
青木 厚. 「空腹」こそ最強のクスリ
「一日3食が理想的である」という考え方には、確固たる裏付けはありません。それどころか、一日3回食事をとると、あとで詳しくお話しするように、
・胃腸をはじめ、内臓が十分に休むことができず、疲弊してしまう。
・体内で炎症が起きやすい。
・「食べすぎ」を招き、肥満になりやすい。
・高血糖になりやすい。
・老化が進みやすい。
など、体や健康にさまざまなダメージを与えることになるのです。
青木 厚. 「空腹」こそ最強のクスリ
ポイントは一定時間(16時間)モノを食べないということ。
「16時間!」というとキツそうですが、睡眠時間も含めて16時間なので、寝ている時間(8時間)にプラスして前後4時間ガマンすれば達成できます。
夜8時に夕飯を食べ終えて、翌日昼の12時で完了です。
つまり、朝食を抜く。
ちなみに、どうしてもお腹が空いてどうしようも無い!という時は、ナッツ類やヨーグルトなどの一部の食品は食べてOKだそうです。
運動をする
ただし、低タンパク質で野菜中心の食事を心掛けて長生きしたとしても、それだけでは寿命を最大限に延ばすことにはならない。なぜなら、体にとってのストレスを栄養の面でつくっているだけだからだ。それでは、長寿遺伝子のもてる力をすべて発揮させるところまでは行かない。だから、物理的なストレスも加えてやる必要がある。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
ようするに、食事に気を使うのも大事だが「運動をしなさい」ということです。
当たり前のことですね。
「どのくらい?」
最近の研究によれば、週に4~5マイル(約6・5~8キロ)走るだけでも(毎日15分足らずのランニングで達成できる距離)、心臓発作で命を落とすリスクが45%減り、全死因死亡率が30%下がることが示されている。これは絶大な効果だ。
この研究では、5万5000人あまりの被験者を約15年間フォローした。期間中に3413人が死亡したが、ジョギングの習慣のあった人は心臓病で死亡する割合が格段に低かった。これは研究者の予想通りである。しかも、肥満や喫煙などの因子を調整しても、ジョギングする人が調査対象期間中に亡くなる割合は小さかった。驚くべきは、運動量がどれくらいであっても、ほぼ同じような健康効果が認められたことである。1日に5~10分程度軽くランニングするだけの人でも、走る習慣のない人より数年長く生きたのだ。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
少しでも良いからやらないよりやった方が絶対良い、というわけですね。
とはいえ、気楽にウォーキングするのとそれなりの速さで走るのとで、違いがまったくないわけではない。長寿遺伝子の力を余すところなく発揮させるには、強度は間違いなく大事になる。
メイヨー・クリニックの研究チームは、いくつかの年齢集団において異なる種類の運動の効果を調べた。すると、プラスの健康効果をもつ運動形態はいくつもあったが、健康を増進する遺伝子を一番多く活性化したのは「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」だった。これを行なうと、心拍数や呼吸数が著しく上昇する。高齢の被験者ほど、HIITによる活性化効果が大きかった。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
※ 高強度インターバルトレーニング(HIIT)20秒間の運動と10秒間の休憩を繰り返す筋トレ。
自分のしている運動が激しいかどうかは、きついと感じるかどうかでわかる。呼吸は深く速くなり、鼓動は最大心拍数の70~85%になる。当然ながら汗をかき、一息つかないと二言三言しか話せない。これが低酸素応答と呼ばれるもので、この状態は体に適度なストレスを与えるのにうってつけだ。永続的な害を及ぼすことなく、老化に対する体の防御反応を活性化させてくれる。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
最大心拍数の70~85%運動が体に適度なストレスを与えるのに良い。
LIFESPAN(ライフスパン)には書いてませんが、最大心拍数とは220から年齢を引いた数です。
運動強度(%)を知るには心拍数を目安にします。
何でこんなこと知っているかというと、毎朝、心拍数を意識したウォーキングやっているからです。


ちなみに僕のウォーキングの運動強度は50〜60%くらいです。
運動強度60%は心拍数138回です「ちょっときついけど長く続けられる」くらいのペースですね。
運動強度85%!というと心拍数166回です、キツそー。
ちなみに、運動強度は以下の式(カルボーネン法)で求められます。
最大心拍数の70~85%運動の場合は以下のように。
(220 – 36 – 70)x 0.7 + 70 = 149.8
(220 – 36 – 70)x 0.85 + 70 = 166.9
※ 安静時心拍数が毎分70回の場合。
運動強度85%(心拍数166回)はウォーキング程度の運動では到底達しない心拍数ですね。
朝10分のウォーキングを始めてから、そろそろ4ヶ月目になるんですが、最近は物足りない運動に感じてきました。
ウォーキングからジョギングに移行していかないとダメだなぁ、あらためて感じました。
まとめ
断食と運動を組み合わせたら、寿命は長くなるのだろうか?間違いなくその通りだ。その2つをどちらもうまくこなせるなら、おめでとう、あなたの願いはじきに叶う。
デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント. LIFESPAN(ライフスパン)老いなき世界
正直、寿命を延ばす医薬品とサプリメントの話は「少し、うさんくさいな……」と思いました。
けど「カロリー制限と運動も良い」と、当たり前のことも書いていたので安心しました。
読めば読むほど、「これ、ホントかもなぁ?」と引き込まれる内容でした。
ところで、別の本の話になりますが……、LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略に書かれていたんですが、約100年前の1914年に生まれた人が、100歳まで生きる確率はわずか1%だったそうです。
ところが、人間の寿命というのはぐんぐん伸びていて2007年生まれの人の50%は、なんと107歳以上も生きると予想されていると書いてました。
同書は、長寿がもたらす良いことと、問題についてイロイロ書いてます。
その中の一つは健康に関することも書かれていました。
端的に言うと「長生きできても健康寿命が短いと意味ないよね?」ということ。
平均寿命が延びても、人生自体が素晴らしくなければ朗報とは言えない。平均寿命が延びるだけで、健康に生きられる年数が延びなかったらどうなるか?その場合に待っているのは、政治思想家トーマス・ホッブズが言う「虚弱という疫病」の悪夢だ。確かに、高齢化による医療コストの増大を不安視する識者は多いし、認知症など、高齢にまつわる病気とともに長生きする人生は、明らかに誰も歓迎しない。
リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット. LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略
人生が長くなることを考えたとき、あなたがいちばん恐れるのは、人生の最後の日々を認知症とともに生きる羽目になることだろう。不安をいだくのは無理もない。100歳以上の人を知っている人は少なくても、認知症の親戚がいる人は多いからだ。豊かな国では、認知症は老化がもたらす最大のリスクになっている。60歳の人の1%、75歳の人の7%、85歳の人の30%が認知症だ。
リンダ・グラットン,アンドリュー・スコット. LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略
これを、読んで不安になったんですが、LIFESPAN(ライフスパン)を読んで考えが変わりました。
まず、老化が医療によって治療できる未来になる。
あと、特別な薬やサプリに頼らず、努力次第である程度は改善できる。
薬やサプリに頼るのはもう少し先の話かな……、と僕は思いました。
今は、自分で努力して改善できることをやるべきだと感じました。