町内会の班長に勝手にされていた、という話

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まあ、そういうモノなんでしょう。

何がって、住んでる場所の町内会の班長に勝手にされていたんです。

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町内会の班長に勝手にされていた

1

ことの発端は、去年の12月末のこと。

住んでる地区の班長k山さんから、新年1月某日土曜日に町内会の会合がある、ついては弁当の注文の関係で早めに出、欠席の返事がほしい。

という内容のメモがポストに入っていました。

 

僕らが住んでいる家は近所に住む伯父の生家で、僕らが住む前は伯父が町内会に入ってましたが、今は僕が会員です。

伯父は近所ですが、違う町内会に所属しています。

ここに引っ越して7年ほどですが、お隣さんとお向かいさんくらいしか見知った人はいません。

 

僕も妻も、人付き合いは苦手ですが、家を貸してくれている伯父には義理があります。

なので、ゴミ当番や集会所の掃除などには、ちゃんと参加してきました。

 

ですが、町内会の会合だけは断ってきました。

知り合いもいないし、住んでる場所が古くから住んでいる人達が多く、高齢者ばかりです。

空き家になってる家も多く、その家が壊されて新しい家が建つこともあるので、歳が近い若い人も住んでるようですが、我が家は子供がいませんので、共通する話題が多いとは思えません。

価値観が違う、知らない人達と食事をするなんて……。

ゴミ当番や掃除に参加するなら、まだしも、食事はちょっとね……。

というわけで、今まで適当に理由を作って逃げ回っていました。

まして、コロナの収束の目処も立ってないこの時に?

 

早目に返事がほしいとメモに書いてましたが、1週間ほど寝かせてから丁重に出席はできないことを書いたメモを班長のポストに投函しました。

「まことに申し訳ありませんが、その日は仕事の都合があり、出席は辞退させていただきます」

 

しばらく、日が経ち。

また、班長からメモが届きました。

前は、ぺら1枚のメモでしたが、今度は封筒に入っています。

「3月某日土曜日18時に集会所にて新旧役員会議があります、ご出席ください」

今度は出席の有無を問うてはきていません。

1ヶ月以上前に言ったんだから、仕事の都合くらい何とかしろよ。

と、読みとりました。

つまり、来いと。

必ず来い、と。

それしても?新旧役員とは?

詳細は書いてません。

意味が全く分かりませんが、とりあえず顔を出すだけだそうと決め、意を決して集会所へ行きました。

2 集会所へ

集会所の2階の行くと、知らないオジさん、オバさんが4、5人いました。

畳の部屋に四角く長机を置き、囲むように座っています。

少な。

思ったより少ない人数です。

一体、何が始まるのか?分かりません。

上座に座る(たぶん)会長が「お世話さま、何班?」と僕に訊いてきました。

質問の意味が一瞬分からなかったんですが、意味が分かったときに、嫌な予感がしました。

「えーと、た、たしか8班……?」

「そう。じゃあ、そこ。あと4人で全員そろうから」

え?どういう……?

とりあえず、座布団に座ってぼんやりと会長の話を聞いていました。

 

5分ほど経ち、知らないオバさんが4人ぞろぞろ揃ってやってきて、空いている座布団がすべて埋まりました。

(たぶん)会長が「えーじゃあ、班長の皆さんには新しい役員決めをしてもらいます」と言いました。

やっぱり……、嫌な予感が当たりました。

(え……、オレ班長なの?)

というわけで、僕はS町内会8班の班長に勝手になっていた、というわけです。

 

自分が、班長であること知って衝撃を受け、ぼう然していたら、残りの役職はあっという間に「防災」と「副会長」だけになってました。

紙一重のタイミングで、隣に座る9班の男性が食い気味に「防災!」と言いました。

きっと、僕と同じようにぼう然としていたのでしょう。

僕が一瞬遅かった。

というわけで、僕は、S町内会の副会長になってしまいました。

班長になるのも初めてで、いきなり副会長です。

僕と隣に座る9班の男性以外はこの集まりの意味を知っていたようです。

つまり、副会長は、オジさん、オバさん達が取っていった役職のあまりです。

ハメられてます。

(よく、何も知らないヤツに副会長を押し付けられるな、どうなっても知らないぞ。)

 

僕は理不尽なことをされると、かなり反発する方です。

普段ならNOと言えます。

一言文句を言ってやろうかと思いましたが、やめました。

なんか、無駄な気がしたので。

場の雰囲気は早々に決まって良かった、早く帰ろうという空気でした。

知らなかった僕が悪いのだと、あきらめました。

 

それにしても班長のk山には怒りを感じました。

こんな大事なことを事前に詳細を伝えてくれないなんて、無神経な人だと思いました。

 

でも、これで今まで逃げ回ってきたツケを精算できるなら払ってやろう、とも思いました。

前向きに考えないと人生やってられません。

3 前任者の引き継ぎで

4月某日土曜日18時に集会所で去年度の町内会の会計報告と前任者の引き継ぎがありました。

わけも分からず座ってましたが、あることに気付きました。

何が分からないのか、分かってないことに。

 

会計報告が終わると、前任の副会長のy内さんという女性が僕の席の前に来ました。

見た感じは80歳は超えている、おばあさまです。

会合の前に配られた、会計報告書や、役員名簿などはy内さんが作ったようで、これが僕の仕事の1つのようです。

役員名簿を見ると副会長は2席あって、もう1人の副会長はh田さんという人だと知りました。

h田さんは会長と共に毎年常任で副会長をやってるようで、もう1席の副会長は年度ごとに交代していることが分かりました。

僕はその1席に当てられたというわけです。

 

y内さんが紙袋を1つポンッと、机の上に置いて何やら説明しだしました。

丁寧に説明してくれてる……んですが、よく分かりません。

僕は何が分からないのか、分かってない状態で聞いてますから。

それでも分かったことは、町内会で集めた募金を役所に持っていく、領収書をもらってくる、募金もイロイロある、それぞれ窓口が違う。

なるほど、それなら募金のことを調べれば場所もすぐ分かるでしょう。

難しくありません。

会計報告の時に配られた、役員名簿の副会長の仕事の備考欄に「福祉」と書いてありました。

(おそらく、これが福祉なんだろう。)

y内さんからもらった、紙袋の中身をその場で確認しましたが、ほとんど意味がない書類だと分かりました。

y内さんに「この中に手続きに必要なものは入ってますか?」と訊きました。

「無いわよ」

後日、念のために妻と紙袋の中身を確認しましたが、やはり意味がない書類でした。

手続きをして、役所から返ってきた、捨てていいのかどうなのか分からない書類の数年分でした。

 

y内さんとの引継ぎが終わると、今度は前任の班長のk山が僕の所にきました。

やはり、紙袋を1つ持っています。

(まったく……、このおばさん……、細かい説明をしろよな、班長のことも、役員決めのことも。)

案の定、k山には悪びれる様子はありませんでした。

このオバさんには怒りを通り越して、呆れていたので、何も言わずに淡々と引き継ぎをしました。

引継ぎの内容は、5月の定例会までに今年度の会費を担当する班から集める、領収書を渡す、回覧板を回す。

「何かわからないことはありますか?」とk山が言うので、「何が分からないのか、分かりません」と答えました。

嫌味を半分、正直な気持ち半分を込めて言いました。

無神経なヤツだと分かっていたので、たぶん伝わってないと思いますが。

k山は「まあ、何とかなるわよ」と言いました、これで引き継ぎは終わりのようで、k山は集会所から出ていきました。

 

k山が置いていった紙袋の中身は回覧板が5冊と種類が違う領収書が3冊入ってました。

集金のときの領収書はこれ(3冊の内の1冊)を使え、と言われていたのがあるので、それを使えばいいんでしょうが、残りの2冊は一体何なのか?

5冊の回覧板の意味について考えていたら、今年度の広報担当の5班のg藤さんともう1人のオバさんが僕のところにきました。

町内会の会費を集金に行くことを回覧板で告知したいから、文書を作ってくれないか?ということでした。

確かに、事前に集金に行くことを町内で知らせることは必要だと思いました。

毎年、知らないオジさんかオバさんが、「町内会費5000円です」と集金に来るんです。

はっきり言って怖いです。

住み始めて何年かは戸惑いました。

今度は僕がそれをやる立場になるわけですから、事前にその日に集金に行くことを伝えるのはスムーズかつ、トラブルなく集金するためにとても良いことだと思いました。

(だけど、何で僕が?)

僕の態度から言いたいことを読み取ったのか、g藤さんは「だって、あなた書記でしょ?」と言いました。

そう。

書記って何だろうな?と思っていたんです。

役員名簿の副会長の仕事の備考欄に福祉の隣に「書記」と書いてました。

福祉はさっき、y内おばあさまと引き継ぎをしました。

(え?書記ってそういうことなの?)

回覧板は会長から回覧したいチラシなり告知なりを広報担当に渡し、広報担当から各班の班長に渡す、そして回覧板が班の中で回覧される、という流れだと説明がありました。

g藤さんが言うには、その文書を作るのは僕の仕事だと言うのです。

(本当に?)

きっと、本筋では会長か会計担当から集金の告知の文書を広報担当者に渡すのがスジだと思います。

ところが、会長は「各々の担当の人で勝手におやんなさい」という、スタンスの人でした。

お殿様です。

だから、g藤さん達は僕に声をかけたんでしょう。

きっと、書記だからというのはこじつけです。

納得はいかなかったんですが、事前に集金に行くことを自分の班に知らせることは必要だと思いました。

人任せにしていては5月の定例会に間に合わないかもしれません。

というわけで、引き受けることにしました。

4

家に帰ってから、失敗に気が付きました。

集会所にさっきの会合で配られた書類をクリアファイルごと忘れてきてしまいました。

紙袋2つと、配布された弁当とビールに気が行ってしまっていまい、うっかりしました。

「きみにしては珍しいミスだね」と妻が言いました。

集会所は、集会所管理係の人が鍵を管理しています。

今年度の担当者に電話しようと思いましたが、連絡先は忘れてきたクリアファイルの中です。

(参ったな……)

困ってしまいましたが、一昨年の町内会の役職者名簿で会長の連絡先が分かったので、翌日に電話をすることにしました。

5 回覧板の謎

k山から渡された5冊の回覧板の意味が分かりました。

1冊はたんなる予備です。

使われているのは4冊だけだと分かりました。

前年の回覧板の巡回順の氏名欄を見て推理できました。

(引き継ぎがちゃんとされれば、こんな推理をする必要はない)

僕が担当する、8班は15世帯あります。

巡回順の氏名欄を見ると、15世帯を2つのルートに分けて回覧板を回していることが分かりました。

aルート(区画の反時計回り)から班長へ、b ルート(区画の時計回り)から班長に戻るように回覧板を回している、これが2セットあるから4冊なんだと。

そこまでは分かったんですが、aルートに、班の会員リストに名前があるのに、なぜか回覧板の巡回順から外されている人がいることが分かりました。

町内会に所属しない人や、空き家になってる家も多くあるとは聞いてましたが、名簿に名前はあるのに、この人を回覧板の巡回リストから外している理由が分かりません。

関わり合いたくありませんが、前任のk山に聞くしかないと思いました。

6

翌朝、町内会費の集金の告知書類を作りました。

「町内会 集金」と検索して出てきたテンプレートを少し書き換えただけなので、すぐにできました。

知らない町内会、自治会の町内会費の集金のお知らせも参考にしました。

これを、広報のg藤さんに渡さないといけませんが、連絡先は集会所に忘れてきた書類の中です。

やれやれ。

7

「申し訳ございません、うっかりしまして……、ええ、ええ、すいません、会長しか連絡先が分からなかったものですから……」

探していた、書類は無事に集会所にありました。

会長から、鍵を借りるついでに今朝作った集金の告知書類を見てもらいました、会長の名前を入れて作ったので、どちらにしても会長とは連絡を取る必要がありました。

「いいんじゃないかな、ありがとう」

とても、おしゃべりな80歳のおじいさまで感じの良い人でした。

鍵を借りて、文書をチェックしてもらうだけだったんですが、10数分くらい町内会のことや諸々のことで話を聞きました。

集会所に書類を忘れたときは焦ったけど……、結果的にこの人とはすこし話せて良かったのかも。

そう思いました。

8

「昨日の今日で、もうできたの?」

「いや、別に、では、各班の班長に配るのはお願いしますね」

g藤さんはすこし戸惑っているようでしたが、ここからはこのオバさんの仕事です。

「文書の内容はさっき会長に見せてきましたから、8班は僕の方で回覧板をまわします、ではお願いします」

9

「H持さんはいいのよ、回さなくて」

「でも、名簿に名前がありますけど……これはどういう?」

「家をたまに開けに来るだけで、今は誰も住んでないのよ」

(空き家ね……、でも名簿にはあるのか、どういうこと?)

k山によると、町内会名簿に名前はあるが、8班の回覧板の巡回リストから外されている、H持さんは町内会には入っているが、実際には住んでいないのだ、と教えてくれました。

住人はいないが、遺族が町内会に席を残しているということ、です。

(これは特殊な事例じゃ……、こういうことをちゃんと引継ぎしてほしいもんだ。)

おわりに

というわけで、僕は住んでる場所の町内会の班長に勝手にされてしまいました。

ぼーっとしていたら、副会長にもされてしまいました。

最初は戸惑いましたが、今は受け入れています。

そういうモノなのだろうと。

さて、この1年どうなることやら。

あと、2週間以内に集金に行かないといけません。

不本意ですが、書くネタにはなりそうです。

続きはまた。

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