このブログで使っている写真は主にiPhoneとデジタル一眼レフで撮影しています。
比率で言うとiPhoneが8割、一眼レフが2割くらいです。
どうしても、iPhoneで撮れない写真が必要な時に一眼レフを使っています。
というわけで、今日はその2割の一眼レフの話です。
カメラを初めて手にした人が必ずおちいる、F値の調整とか、被写界深度(ひしゃかいしんど)とか、シャッタースピードの事、ISO、等に触れます
僕はこのブログでよくブツ撮り(物を写す撮影)をするので、ブツ撮りをする時に気をつけている事なんかについて書いてみました。
○ デジタル一眼レフとスマートフォン・デジカメの違い
・ 露出を自分で自由に決められる
一眼レフの特徴の一つとして上げられるのは「露出」を自分で自由に決められる事です。
対して、スマートフォンやコンパクトデジカメは露出を自由に決める事ができません。
スマホのカメラやコンパクトデジカメは、撮影している時の周りの明るさや被写体(写す物や人)によって露出をカメラ側が勝手に決めて撮っているので、撮影者が露出を自由に決める事はできません。

iPhone6sで撮影|ほぼ全体にピントが合っている

Nikon D90で撮影|だるまと植物の葉にピントを合わせ、背景をボカしている
○ 露出とは?
露出を自由に選択できる事が一眼レフの特徴であると書きましたが、では露出ってなんでしょう?
露出の設定はおそらくデジタル一眼レフの最初の難関だと思います。
大丈夫です。ちゃんと理解できます。
僕も最初は意味が分かりませんでした。
露出の設定とは以下の3つの要素の組み合わせです。
- 絞り(F値)
- シャッタースピード
- ISO

カメラの機種によって違うと思いますが、NikonやCanonのカメラはシャッターボタン付近に現在の露出設定を確認する事ができるパネルがあります。

僕が持っているNikon D90はカメラ背面のパネルでも露出設定を確認できます。
○ F値 絞り(AV値)
絞り(F値)とはピントがあって見える幅を調整をする値です。
ピントがあって見える幅のことを被写界深度(ひしゃかいしんど)と言います。
・ 被写界深度とは?
はい、いきなり出てきました。
じゃあ、被写界深度(ひしゃかいしんど)ってなんでしょう?
説明しづらいので作例をご覧下さい。

被写界深度が浅い写真
一点にピント合わせ周りがボケたような写真は被写界深度が浅い写真と言います。

被写界深度が深い写真
全体的にピントがあって見える写真は被写界深度が深い写真と言います。
一眼レフの場合はF値を自由に設定できるので被写界深度の浅い写真を撮ることが出来ます。
例えば、作業中の写真を撮る時に背景をあえて極端にボカして先端だけにピントを合わせて撮りたい時があります。

こういう写真ですかね。
○ シャッタースピード(TV値)
シャッタースピードとは、シャッターが開いて閉じるまでのスピードの事です。
音で言うとシャッタースピードが早い写真はカシャッ。
遅い写真はカーーーシャンです。
・ 手ブレのが起こる仕組み
シャッタースピードが遅いという事は被写体(撮っているモノ・人)が動くと、ブレます。
あるいは撮ってる人が動くとブレます、これが手ブレの仕組みです。
被写体が動く前に、あるいは撮っている人の手元がブレる前にシャッターが下りきってしまえば手ブレは起きません。
僕はよくブツ撮り(物を撮る撮影)をするのですが、三脚を使わずにブツ撮りをする場合はシャッタースピードが早くないと手ブレが起こってしまうので、ある程度シャッタースピードが早い必要があります。
・ 表現としての遅めのシャッタースピード
意図してシャッタースピードを遅くして、撮る場合もあります。
シャッタースピードを遅くしカメラをしっかりと持って撮影するか、三脚を使って撮影します。
例えばこのブログで実際に使った写真では以下のような写真です。

シャッタースピードを遅くし、のこぎりの動きを表現

シャッタースピードを遅くし、棒ヤスリの動きを表現
○ ISO (感度)
ISOとは、、、言葉では説明しづらいので、以下の作例をご覧ください。
4枚とも同じF値、同じシャッタースピード、照明のセッティングも全く同じです。
ISOだけを変化させています。
※ 普段あまりやりませんが、この撮影は三脚を使っています。

F値 8/シャッタースピード 0.4/ISO 200

F値 8/シャッタースピード 0.4/ISO400

F値 8/シャッタースピード 0.4/ISO800

F値 8/シャッタースピード 0.4/ISO1600
同じF値、同じシャッタースピード、照明のセッティングも同じという事はカメラのレンズに入ってくる光の量が全く同じだという事です。
ISOの数値が高い写真ほど、明るく白く飛んでいく事から、この作例で分かる事はISOの数値が高いほど、高感度であるという事が分かります。
○ 手持ちでブツ撮りをする際の設定
・ 周りをボカした写真が撮りたいのでF値は低く
僕の場合はよくブツ撮り(物を写す撮影)をするんですが、ほとんどiPhoneを使って撮影しています。だけど、あえて一眼レフを使って撮影する時は、周りをボカした写真(被写界深度が浅い写真)が撮りたいケースがほとんどなので、ある程度はF値は限定されます。
・ 手ブレを起こさないためシャッタースピードはできるだけ早く
手ブレを起こさないために、ある程度シャッタースピードが早い必要もありますよね?
三脚を使えばシャッタースピードが遅くてもOKですが、わざわざ三脚を使うような大仰な事はしたくのないので、シャッタースピードもある程度は限定されます。
・ ノイズが発生する事があるので、ISOは必要以上に高くしない
ISOは数値が低い(ISO200〜400)よりも、高い方が(ISO1600〜)シャッタースピードを早くしても明るく撮れるので、「ISOはできるだけ高い方がいいのね?」となりそうですが、そうではありません。
ISOの感度を高くしていくとノイズが発生し、ザラついた写真になる事があるので、ブツ撮りをする時はできるだけISOを低く設定するのがセオリーです。
・ 撮影する場所を明るくする
F値もある程度限定されていますし、ISOもあまり高くできません。
部屋が暗いとシャッタースピードを遅くしないとうまく撮れない事があるので、部屋はできるだけ明るくしましょう。

自作ソフトボックス

自作ソフトボックス
僕はキッチンにあるペンダントライトに自作のソフトボックスを装着して光源にしています。

ブツ撮り用の光源をウジウジ試作しています。
僕はこのブログで写真を多く使います。
何かのやり方を説明する時は画像がメインになり、文章は補足として使う程度になるので、明快で分かりやすい写真を撮る事を心がけています。
一部はAmazonアソシエイトとリンクして表示していて、いわ...
・ 絞り優先モードで撮る
以上の事を踏まえ、オススメな撮影モードは絞り優先モードです。
絞り優先モードとはF値を固定して撮影できるモードです。
撮る場所や環境(明るい暗い)、撮るもの(黒い白い)によってカメラがいい感じで撮れるシャッタースピードを自動で決めてくれます。
好みのボケ具合(F値)を決めて、あとはISOを変更していきます。
ISOを高くしていけばシャッタースピードが自動で早くなっていくので、手ブレしないシャッタースピードで撮れるISOに設定にすれば良いわけです。
これが、できるのはデジタル一眼ならではですね。
フィルムカメラでISOを変更するにはフィルムごと交換しないといけません。
・ 作例
モンキーレンチを撮ってみました。

F値 3.5/シャッタースピード 1/125 / ISO640

F値 4.2/シャッタースピード 1/20 / ISO640
○ まとめ
まとめです。
露出を決める時に気にするポイント次の3つだけです。
- 絞り(F値)
- シャッタースピード
- ISO
そして、ブツ撮りをするのにオススメな撮影モードは絞り優先モードです。
あと、もう一点絞り優先モードの良い所があります。
とても抽象的な言い方ですが、絞り優先モードの良いところはカメラにカメラを教えてもらえる事だと思います。
露出を理解するのにもオススメな撮影モードだと言えます。