
レターケース 幅650×奥行き450×高さ700mm
大型のレターケースを作りました。
今回作ったレターケースの大きさは、幅650×奥行き450×高さ700mmです。
一般的なレターケースと比べるとかなり大型で、書類を収納するキャビネットと表現したほうが適切かもしれませんが、この記事では「レターケース」と呼ぶことにします。
最近、店舗什器をよく作るんですが、今回はお店のバックヤードで使用するラッピング資材の収納ケースとして、このレターケースを作りました。

60mm間隔で入ったスリット
このレターケースの最大の特徴は、60mm間隔で入ったスリットです。
このスリットに棚を収めることで、引き出して使える仕様になっています。
収納するものに応じて棚の高さを調整できるので、非常に便利です。
これからレターケースを作ろうと考えている方のために、使用した材料や製作時に苦労したポイントをシェアしたいと思います。
レターケースの材料
- 赤松集成材 18mm(レターケース全体の構造)
- ファルカタベニヤ 4mm(引き出し棚)
- アルミチャンネル材(棚をスムーズに引き出すためのレール)
赤松集成材 18mm
レターケースのフレーム部分には赤松集成材18mmを使用しました。
トリマーを使って深さ12mmの溝を彫ります。
ただ、作ってみた後で思ったのですが、板にもう少し厚みがあったほうが強度的に安心かもしれません。
次回作るとしたら、24mm厚の材を使うと思います。
ファルカタベニヤ 4mm
引き出し棚には4mm厚のファルカタベニヤを使用しました。
しかし、今回のレターケースはサイズが大きいため、4mmの板では少したわんでしまいました。
なので、後述する方法で補強しました。
アルミチャンネル材
棚がスムーズにスライドするよう、アルミチャンネル材をレールとして使用しました。
このアルミチャンネル材は高さ10mmで、トリマーで彫った深さ12mmの溝に収めます。
内側の溝の幅は5.5mmで、4mmのファルカタベニヤをスライドさせるのにちょうど良い幅です。
主に使用した道具
- 電動丸ノコ(材料のカット)
- トリマー(スリットを彫る)
材料のカットには電動丸ノコを使用しました。
丸ノコ刃はSK11のくろを最近よく使っています、安い刃ですがよく切れます。
スリットを彫るためにトリマーを使用しました。
トリマービットは8mmのストレートビットです、アルミチャンネル材の幅が7.5mm(溝幅5.5mm、チャンネル材の厚さ1mm+1mm)なので、ほぼピッタリ収まります。
製作時に苦労したポイント
材料のカット
材料を丸ノコでカットする際、スリットの向きと木目の方向を考慮して材料取りを行う必要がありました。これから作る人はスリットと木目が平行にならないように注意してください。
スリットと木目が平行だと、おそらく板が反る原因になります。
スリット加工
トリマーで60mm間隔のスリットを彫りました。
片側10本、左右で20本のスリットを彫る必要がありました。
溝の深さは12mmですが、1度でこの深さを彫るとビットが折れそうだったため、3回に分けて削りました。
その結果、20本のスリットを彫るのに合計60回の作業が必要になりました。
単純な作業ではありますが、まあまあ手間がかかる工程でした。
もしトリマーを持っていない場合、60mm幅の板をカットして後から貼るという方法もあります。
そういう方法もありますが、どちらにしても手間はかかります。
アルミチャンネル材の取り付け
アルミチャンネル材の幅が7.5mmに対し、トリマービットは8mmなので、0.5mmの余裕がありました。
これがどう影響するか心配でしたが、結果としてはガバガバにならず、適度なフィット感でスムーズに収まりました。
今回は接着に「PA速乾アクリア」を使用しました。
いわゆる白ボンドなのですが、アクリアの仕様によると片面が木であれば、金属でも接着できます。
棚板4mmの補強
引き出しに使った4mmの棚板が大きいからか、たわむので補強しました。
板の表と裏に紙を貼るだけです。
板がたわむ方向に、紙が突っ張ってそれを防ぎます。
接着剤はスプレーのりが良いと思います、僕は77を使いました。
紙の余分を切って、端をペーパーで削ると上のような仕上がりです。
紙は引っ張っても簡単にやぶれない丈夫な紙で、そこそこ大きい紙ということで、障子紙を選びました。
最近の障子紙は表面がプラ加工になっていて丈夫なんですね、表面がプラスチックなので水拭きもできます。
棚板が反るのは予想外だったんですが、障子紙を貼ることで板が汚れにくくキレイになりました。
まとめ
今回作ったレターケースは、収納力が高く、使い勝手の良い仕上がりになりました。
スリットを活用した棚の引き出し構造は、用途に応じてカスタマイズできる点が大きなメリットです。
しかし、トリマー作業がかなり大変だったので、次回作るときは別の方法も検討しつつ、さらに改良を加えたいと思います。
これからレターケースを作ろうと考えている方の参考になれば幸いです!