今回は、運動中の水分補給は水じゃダメだった、という話です。
運動中の水分補給はスポーツドリンクを飲みましょう。
僕は毎朝10分のウォーキングをしているんですが、それとは別メニューで、土日に1〜2時間のウォーキングをしています。
10分のウォーキングでは気にする必要がなかったんですが、1〜2時間のウォーキングでは、かなり汗をかくので麦茶を500ml持って出かけていました。
足りなければ、近くの公園の水道で補給します。
30℃以上の炎天下の日でもそうしてました。
が、これは良くなかったのかも。
かなり危険なことをしていたことに気付きました。
麦茶じゃなくて、スポーツドリンクにするべきでした。
けど、スポーツドリンクは甘ったるくて、苦手という人もいるでしょう?
僕もそうです。
でも、かなり汗をかく運動をするときは「水よりもスポーツドリンクの方が良い」みたいですよ。
今回は、そういう話です。
参考にした本
能勢博. ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方
岡村浩嗣. ジムに通う人の栄養学 スポーツ栄養学入門
運動中の水分補給はスポーツドリンクが良い理由
運動をすると、「汗をかく」のは体温を一定に保とうとする、正常な身体の反応です。
なぜ、汗をかくのかというと、岡村浩嗣. ジムに通う人の栄養学 スポーツ栄養学入門によると、「筋肉がエネルギーを消費するときに熱を産むから」と書いてました。
この仕組みは、自動車のエンジンの温度が上昇するのと同じ、だそうです。
能勢博. ウォーキングの科学 によると、汗はかけばかくほど身体中の水分(体液)が減少していきます。
汗をかき、体液が減少していくと、なんと血液が減少していくそうです。
血液の量が減少していくと、体温の調節機能と持久力に影響するそうです。
というわけで、汗をかいたら、水分補給が大事です。
では、「なぜ、水じゃダメなのか?」という話になります。
運動中の水分補給が水じゃダメな理由
汗をかくと、身体中の水分(体液)が減少していき、体液の電解質濃度が上昇していきます。
電解質とは食塩のことです。
汗の電解質濃度は体液よりも低いそうで、汗をかくと体液の電解質濃度が上昇していきます。
ようは、汗をかくと体液がどんどん濃くなっていく、ということです。
身体から流れ出ていく汗で失っていくモノは電解質(食塩)よりも水の割合が多いからです。
体液の電解質濃度が上昇していくと、なんと脳は身体に汗を止めるように指示するそうです。
身体にとっては、それほど体液の電解質濃度が重要なんですね。
ところが、汗が止まると、体温を一定に保てなくなります。
さあ、大変です!
水分補給をしないといけません。
というわけですが、「水じゃダメなのか?」
結論から言うとダメです。
塩分を含まない飲料を飲むと、水分が吸収されて血液の水分は増える。しかし、塩分は供給されないので血中の塩分濃度が低下する。血中の塩分濃度が低下し過ぎた状態の低ナトリウム血症は危険なので、無意識のうちに飲水行動が停止する。
岡村浩嗣. ジムに通う人の栄養学 スポーツ栄養学入門
失った量の水分だけを摂取すると、体液の電解質濃度(浸透圧)が低下し、電解質濃度が元に戻った時点で喉の渇きが止まってしまう。そして、たとえ、それ以上摂取しても、余分な水分は尿中に排泄される。
能勢博. ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方
なんと、身体は体液の電解質濃度が戻った時点で、喉の乾きが止まる仕組みになっているそうです。
体液は濃すぎてもダメで、薄すぎてもダメなんです。
血中の塩分濃度が低下し過ぎた状態は「低ナトリウム血症」といい、かなり危険な状態だそうです。
濃くなった食塩水(体液)に水だけを足していくと、元の量に戻る前に、塩分濃度の方が、先に元に戻ってしまいます。
というわけで、濃くなった食塩水(体液)の量を元に戻すには、出ていった薄い食塩水(汗)と、同じ濃度の飲み物を飲まないと身体の水分量は元に戻りません。
これが、運動中の水分補給が水じゃダメな理由です。
僕個人の実感として、夏は朝と夕方の体重が全然違います。
かなり暑い日は朝に比べて夕方の体重が、マイナス2〜3kgも違うこともあります。
たった1日の話です。
今まで、暑い日はそういうものだと思っていましたが、軽い脱水症だったのかもしれません。
かなり危険です。
意識して水分補給をするようになってからは、極端な体重の減少は無くなりました。
食塩水を飲めばいい?
「では、食塩水を飲めばいいのか?」
電解質とは食塩のことなので、出て行った水に電解質(食塩)をプラスした水を飲めばいいはず、です。
そうなりますね。
でも、話はそう単純じゃありません。
もしそうなら、食塩水が売られているはずです。
どうも、食塩水というのは身体にとって吸収しにくく、胃にもたれやすく、下痢になりやすいんだとか。
「じゃあ、どうすればいい?」
なんと、食塩水はブドウ糖と一緒に摂取すると、身体の吸収がよくなるんだそうです。
水分補給は、少し塩っぱくて、少し甘い水が良い、ということです。
つまり、スポーツドリンクのことですね。
まとめ
甘くて、すこし塩っぱい食塩水が水分補給にベストだということが分かりました。
あの、青いパッケージの清涼飲料水です。
あれは、美味しさのためにあの味になったんじゃなく、水分補給という機能を考えていた結果、あの味になったんですね。
勉強になりました。
水分補給、奥が深いですね。